無彩色なキミに恋をして。
何か一瞬、考えているような”間”があった。
でもそれは気のせいだったのかもっていうくらい
またいつも通りの燈冴くんに戻っていて。
「食事が終わりましたら
一度、見せて頂けますか?」
「え…燈冴くんからのプレゼントなのに…?」
「はい。お願いします」
どうして自分があげた物を見たいと言うのかその真意はわからなかったけれど、わたしは言われるまま夕飯を終えて自分の部屋へと戻り、机の引き出しから箱に入ったプレゼントを取り出した。
そしてふと、嫌な予感がした。
もしかして『返してください』って言われるのかも…と。
せっかくあげた物を着けないのであれば必要ないと思われた?
それは困る!
もしそうなら着けなかった自分に後悔するッ
何も聞いていない勝手な想像だけ膨らませながら
ベッドの上に腰掛けて、渡そうかどうしようかと頭を抱えていると
”コンコン…”とドアをノックする音がした。
まさか燈冴くんが回収に来た…?
謝って、それだけはやめてもらわなきゃッ
箱を手にしたままドキドキしながらドアを開けて顔を上げた。
「どうかしました?」
「…なんでもない、けど…」
わたしの警戒心が伝わったのか
本人キョトンとした顔で首を斜めに傾げている。
「それ、ですね?」
そう言って手を差し出された。