無彩色なキミに恋をして。
「ま、待って!?
返してなんて言わないでッ」
「え?」
「大事…なの。
燈冴くんから貰った、大事なプレゼント…」
こんなこと今更、それも本人に言う事じゃないのはわかっているけれど、ちゃんと言葉にして伝えたかった。
ちゃんと、伝わって―――
「参ったな」
「燈冴くん…?」
『ふぅ…』と溜め息に近い息を吐き
困惑したように自身の前髪をクシャっと掻いた。
「先ほど緋奈星さま、仰っていたでしょう?
”直接、貰いたかった”と。
なので改めて着けて差し上げたいんです」
「え…そういうこと?
怒っているわけじゃないの?」
「違いますよ。
改めてクリスマスのやり直しをしようかと思っているだけですよ」
「そうだったんだ…」
ホッとした。
怒って返せって言われるんじゃなかったことが。
それにもう1度やり直しだなんて…
「では1度、その箱を私に…」
「あ、はい…」
『そちらへ腰掛けてください』と促され
わたしはベッドの上に座り
その前に燈冴くんが片足を着いて立ち膝になった。
月夜に差す穏やかな光と部屋の間接照明だけの空間に、夜の雰囲気を感じてしまって少し緊張する中
燈冴くんは白い手袋を外し、わたしの左足に触れる…
「…んッ」
思わずピクリと反応しちゃった…
だって、なんか緊張が…