無彩色なキミに恋をして。

そう言われても
簡単に『はい、おやすみなさい』って…

「わたし、やっぱりーーー」

『大丈夫だから』と断ろうとしたのに。

「肩で宜しければ
 お貸ししましょうか?」

「えッ!?」

そうさせまいと彼は耳元で囁くように小声で誘い
スッと伸びてくる左手は頬を掠め首元に優しく触れて、そのまま自分の肩に誘導していくんだもん。



ちょっと強引な気がするのに
だけど嫌じゃないなんて…

完全に燈冴くんのペースに持っていかれてる。




「このまま、もう少しだけ…」




そう言ったように聞こえたのは空耳?

そうじゃなければ
もう少しって…?



どんな意味を持って発したのか疑問が頭を過ぎったけれど
掛けてもらったブランケットの保温効果と
燈冴くんの安心感に不思議と緊張が解けていって
わたしはスーッと目を閉じていたーーーーー












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