無彩色なキミに恋をして。
やっぱり燈冴くんは
“ただ会いたい”に時間を費やさない人。
『お詫びも兼ねている』ことも念押ししても。
「謝罪の気持ちだけで十分です。
わざわざお会いする必要はないかと。」
「そ、そっか…」
「私はあくまで
緋奈星さまをお守りしただけの事。
彼女のためではありません」
わたしにとっては本来は嬉しいはずのセリフだけど
表情1つ変えずに淡々と吐く本音に
燈冴くんの”冷酷”な部分が直接的に表れていて素直に喜べない。
どうしてそこまで拒絶するのかと思ってしまうから。
「彼女とは改めて約束などはしませんが
もしどこかでお会いするような機会があれば
私から直接お伝えしますので
緋奈星さまのご心配には及びませんよ」
俯いたわたしに
『言うなら自分で言ってよ』と思ったのかもしれない。
もちろんそんな風には考えていなかったけれど
もしそう思った言葉なら…
それもそれでズキッと刺されるものがある。
「食事にしましょう」
ニコリと、またいつもの執事の顔に戻った燈冴くん。
『先に着替えてきてください』と言いながら席を立ち、キッチンへと姿を消す。
どうしてだろう。
今朝のキスにも触れて来なかった。
わたしが”熱のせいで”と言ってしまったから?
自分でムリヤリ完結させてしまったけれど
あの答えが本当に、ホント…?