冷徹社長はかりそめ妻を甘く攻め落とす
朝の光が白いカーテンの隙間から差し込んでいた。まぶしくて目を開けないまま、しばらく素肌にを包んでいるシーツにくるまる。
あれから毎晩、瀬川さんに求められている。
その証拠に胸もとにいくつも赤い跡が残っていた。
小さな薔薇のように上品につけられているが、これをつけているときの瀬川さんの表情を思い出すだけでゾクリと痺れる。
ひと目惚れの効果がいつまで続くのかと不安がある一方で、愛されている感覚が積もるたびに彼に溺れていた。
「……んっ」
唇になにかを押し当てられた感触がし、驚いて目を開けた。
瀬川さんの閉じた瞼がすぐそこにあり、吐息と前髪が当たっている。
「瀬川さんっ?」
彼はハッとして距離を取った。
隣で眠り、朝がきたからおはようのキスをされたのかと思ったが、彼の様子は少し違っていた。
「すまない。起きているときにする約束だった」
眠っている私にキス……ってやつだ。勝手に夜だけだと思っていたのに、朝もしていたなんて。
すでにスーツに着替えて髪までセットが終わっている状態で、眠る私に熱烈なキスをしていたのだ。