冷徹社長はかりそめ妻を甘く攻め落とす
「ん……んんっ……」
目をつむり、胸の前で両手を握り合わせ、痺れるほどの快感に耐える。いろいろなところを刺激され、そのひとつひとつに心も身体も反応してしまう。
これは彼がロボットをいじるときと同じ光景に思え、私もメンテナンスをされている心地になった。
妻は、瀬川さんにメンテナンスをしてもらえるんだ。なんて贅沢なのだろう。
「とろけてきた」
事実確認をされ、私はうなずいた。少し麻痺をするほど甘く熟している。
もう瀬川さんが欲しくてたまらない。
彼は上体を起こし、背もたれの向こう側を睨んだ。
「ジータ。席を外せ」
『かしこまりました。ごゆっくり』
リビングの扉の音がして、ジータの気配が消える。
この状況で〝ごゆっくり〟なんて。ジータはそんなことも言えるのか。驚いていたところへ、もう私をめちゃくちゃにする気満々の瀬川さんが再びのしかかる。
「ふたりきりだ。これで集中できるか」
「……は、はい」
押し付けられた下半身は、まるで許可を求めているかのように存在感を増している。
熱くなっている場所が重なり合い、侵入し、「あっ」という吐息まじりの声が互いに漏れた。