冷徹社長はかりそめ妻を甘く攻め落とす
「ああ、そうだ」
瀬川さんにサラリーマン時代があるとは驚きだった。
AIのロボットを作れるのだから、経験なら機械を扱う企業で積んだのではないかと思ったのに。
「とは言っても二年だけだが。プログラミングやAIには独学で明るかったが、コンサルティングの知識は現場で得るしかなかった」
「そうなんですね……。あれ? でも、今は取引先なんですよね?」
「ああ。去年から、トップ・エールは『ブレイン』を導入している。クライアントから依頼を受けてコンサルティングを行う過程で、ブレインでシュミレーションを出している」
「な、なるほど……」
それって直接、瀬川さんの『ブレイン』がクライアントの悩みを解決しちゃった方が早いのでは?と思ったが、私などでは思いつかない事情がたくさんあるのだろうと口を閉じた。