冷徹社長はかりそめ妻を甘く攻め落とす

「でも私、寸胴のチンチクリンだし、変じゃありませんか」

いつもの百倍悲観的になっている私は、セールストークに反論する。こんなことを言っては困らせるに違いないのに。

「とんでもない! 今お召しのワンピースが少々体型に合わない形をしているだけです。寸胴とおっしゃいますが骨盤が整っていてウエストが細いですし、二の腕やヒップがもっちりとして女性らしいボディラインをされています。とてもドレスが似合う体型ですよ」

「そ、そうでしょうか」

「そうですよ! デコルテを出して、ウエストからヒップまでラインの出るドレスにしましょう。高いヒールを履くと大人っぽくなりますよ。髪もうなじを強調して横に流すようスタイリングします」

「わっ、わっ」

彼女は説明と同じスピードでマネキンの私を着替えさせていく。
姿見をよく見ることもできずにくるくると回った。
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