思っていたのと 違うのですか‼︎
(資料として)未編集のものを下さい。
後でお願いしよう。
とホッとしつつ、記録しなくていいプレッシャーから放たれた私は、挙式や披露宴で事件が起きた場合を数パターン思い浮かべる。
新郎又は新婦の奪うタイミングはここか?
式を中断するタイミングはここか?
などと呑気に思い浮かべている間も、現実時間は進んでいく。
体裁を気にする両親により決められた流れなので、仕方がないにしても智さん、あなたは止めれましたよねぇ。
眉間に皺を寄せるぐらいなら、やめればよかったのでは?と思いつつも、ケーキ入刀もお色直しもキャンドルサービスもつつがなく終わっていく。
ゲストの余興が始まっても、眉間の皺は伸びる事はなく、誰か存じない私の友人を名乗る子が楽器を披露すれば、初めてお会いした智さんの友人が学生時代の思い出を語る。
皺はそのままでも、苦笑いしているという事は、本物の友人なのでしょう。
お友達、いらっしゃったんですね。
用意された両親への感謝を述べ、お互いの両親に花束を贈る。
お父様のスピーチを聞き、退場。
出口で皆を見送って終わりです。
ゴールが見えてくると、余裕が出てくるものでそっと目の前にあるシャンパンに手を伸ばした。
「皆様、本日はご多用のところ、二人のために・・・」から始まり、笑いあり、涙ありで謝辞を述べていくお父様。
「長っ」っと眉間に皺を寄せたまま愚痴る旦那様。
あれだけの文章を飽きもせず、皆様の耳を傾けさせるのは至難の技ですよ、確かに長いですけど・・と心の中で同意をする。