思っていたのと 違うのですか‼︎


智さんに訴えたが、呼ばれて行ってしまった。立ち尽くし私にお母様が「大丈夫よ」と優しく微笑む。

だって、あの人の息子だもの。

とクスクス笑いながら、教えてくれた。

まだ男性が育児に積極的に参加する事が珍しかった時代に、お父様はいち早く男性の育児休暇を導入。

産後1ヶ月は、母乳を与える事以外ほとんどをお父様がやっていたと。

 参観会も運動会も欠かした事がなく、智さんが熱を出した時は、「側に居たい」とテレワークをいち早く採用までしたという。

超子煩悩ですか!

「絶対に智も同じ事をするから。覚悟した方がいいわよ。」

当時を思い出したのか、苦笑いしつつも微笑むお母様。

智さんの子供の頃の話、もっと聞きたいです!



「余計な事を吹き込まないで下さい」

戻ってきた智さんが私の腰を抱く。

「余分な事ではないわ」

ふんふんするお母様。可愛い。

「あなた達2人は本当によく似てるのよ。
見た目と行動の差が、エベレストとマリアナ海溝ほどあるのよ。自覚しなさい。」

よくわからない例えですが、理解しました。

その気持ち分かります。

苦虫を潰した様な顔をしたって事は、お父様の性格を十分に理解している様です。

仲良し家族なんですね。


お父様と合流して、いよいよ本番です。

緊張してきました。

「お前は何もしなくていい。ただ笑って俺の隣にいろ」

智さんが優しく囁いてくれました。では、お言葉に甘えて、創立パーティを全力でメモります。


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