思っていたのと 違うのですか‼︎


のに、ですよ!

ばっちり予定通りとなり、溶けそうな顔で産まれたばかりの第一子春都(ハルト)を智さんが抱いています。

似合いません。
不服です。

痛いのは嫌ですが、「智さんのばか」とか叫ぶ予定だったのですが。

助産師さんもびっくりなスムーズ出産。


退院後も、おしめ交換に夜泣きの対応も完璧な対応の智さん。

乳幼児でクタクタになる予定だったのですが。

贅沢な悩みだとは思いますが、疎外感を感じます。


「わかるわ」

思い切ってお母様に話してみたら、しみじみと言われてしまいました。

「私も産んだだけで、必要ないんじゃないかって何度泣いた事か」

ですよね‼︎

「それを智さんに言ってみなさい。喜んで智美さんを甘やかしてくれるから」

遠い目で言わないで下さい。

「そう言う事じゃないんだけどね」

2人で深いため息をつく。

「私は諦めたわ。やらないよりはやってくれる方がマシって思うようにしていたの」

気の持ち様って事ですね。

「2人っきりになりたい時はいつでも言って。1日でも1週間でも預かるわよ」

ぷにぷに春都の頬っぺたを突くお母様。

「寂しかったのか」

お母様のアドバイスを受け、思い切って智さんに話してみれば、嬉しそうにそう言われた。

そうじゃない。

お母様の予想通りです。

気を利かせた春都が泣きもせず、初の朝までぐっすり。

私はぐったりです。

思っていたのと違うんですが!


< 107 / 108 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop