思っていたのと 違うのですか‼︎
カチャ
やってしまった。
パジャマではないし、靴もちゃんと履いている。24時間コンシェルジュサービスあり、ホテルならフロントに行けばいい。
落ち着け、私。
鍵は顔認証システム。
それでも一応。
カメラはこれか?
視線を合わせてみるが、無音。
登録した記憶ありませんし、想定内ですが!
コンシェルジュに行って締め出されたと言えばいい。
部屋を回っていたらつい外に出てしまって部屋に入れなくなった。と。
結婚初日に旦那様に置いてきぼりを食らった寂しい妻だと言うことがバレてしまうが、背に腹は変えられない筈だ。
エレベーターの前に立ち、勇気を出すんだ!とボタンを押す。
押した瞬間に、ドアがゆっくりと開いていく。
おぉ、エレベーターも最新システムなんですか!
人を待たせないタイプなのか!と感心していると1人の女性と目があった。
「おはよう御座います。須藤 智美様でいらっしゃいますか?」
スーツに身を包んだ女性が朗らかに微笑む。
なぜ私の名を知っている!刺客ですか?
持っていたタブレットを抱きしめる手が強くなるのが、自分でもわかる。
胸元には[Ryouko・I]と金字の名札は光る。