思っていたのと 違うのですか‼︎


 周りに人がいない事を確認しながら、写真を撮って行く。

幸運にも大浴場にも人が居ない。

チャンス!とばかりに、お風呂に入る前に失礼します。と、大浴場も撮影。

 夢中になっているとあっという間に時間が経つもので、慌ててお風呂に入って、浴衣に着替える。

 帰りにもう一度入りたいなぁ

なんて呑気に思いながら、部屋に戻る。


「行ってまいりました」と声をかけながら、ドアを開けると旦那様は電話をしている。

 絵になるなぁとつい写真を撮ってしまった。

「わかった。仕方がない。すぐに折り返す」

電話を切ると、深くため息を吐く。

何かあった様です。

「ジジイが倒れた。今から病院に向かう」

私に向かって言うと、すぐにフロントに電話をして、車を用意するように指示を出す。

 浴衣姿の私、着替えた方が良さそうですね。

「着替えてきますね」と私が言うと「お前はいい」と私の肩に手を乗せた。

「お爺さまが倒れたのなら、私も行かないといけないのではないのですか?」

 乾き切っていない軽く縛った私の髪を指で遊ぶ旦那様。仕草が甘いんですが!
 
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