思っていたのと 違うのですか‼︎

2


 そんな私に転機が訪れたのは成人式も終え、卒業後を決めなければと悩んでいた時の事です。

 就職をするべきか、それとも家事手伝いで家にいるべきか。

体裁を気にする両親とも話を聞かなければならないのだとか?

憂鬱ですが、はっきりとしなければいけません。


 タイミングを見計らって半年を過ぎた時、事件は起きたのです。

 系列の短大しか進ませて貰えなかった私とは違い、[いい女は容姿も学歴も申し分ないものだ]と名の知れた大学に進学卒業し、自由を謳歌していた姉に縁談が持ち上がったのが事の始まりでした。

 すでに兄は父の会社に入り後継者教育に、大人の遊びに忙しくしているようでしたので家庭を持つ時期ではないにしても、

大学を卒業し、多少なり社会経験を積んだ姉は今が売り手市場だと内外から縁談が舞い込むのは仕方がない事かもしれません。

 それは姉の気持ちとは関係のないものです。

容姿や地位を持ち選びたい放題の最強女子である姉にとって、将来の伴侶は妥協できないものでした。

それが古くからお付き合いのある御子息との縁談でも、彼以上にいい物件があるはずだと信じてやまない姉にとっては、晴天の霹靂だったのでしょう。

< 4 / 108 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop