思っていたのと 違うのですか‼︎
2-1
智が忙しければ私も忙しいわけで。
月に一度ないし、2ヶ月に一度日本に戻る生活を送る羽目となる。
行きっぱなしの智よりはマシと自分に言い聞かせて、気付けは1年が過ぎていた。
「えっ!それって不味くない?」
「だよね」
「内々で済む問題じゃないよね」
「でも・・・」
久々に社に出社すると、根津と女性社員がただならぬ雰囲気で話している。
「何かあったんですか?」
今日は智が帰国してくる日。
ゆっくりしている暇はない。
それでも、あくまで冷静に威圧せず、話しかける。
私が話しかけた事に、驚いて黙る2人。
「い、いえ。なんでもありません」
冷静を装いつつも、少し強張った表情で根津が答える。
「葉山さん」と別の社員に根津達の後ろから声を掛けられる。
視線を根津からそちらに向ける。
根津達がホッとした顔をした。
「社に関わる事でしたら、なんでも話して下さいね」
微笑むと、「はい」ハートが飛ぶ。
普段からこれだけ扱い易ければいいのですが。
ため息を小さく吐き、私を呼んだら社員の元へ行く。
後ろで
「ちゃんと報告しなよ」
「でも、見たってだけじゃ」
「何かあってからじゃ遅いんだからね」
と話す声が聞こえる。
面倒事は勘弁して頂きたい。