思っていたのと 違うのですか‼︎
3-1
朝の準備をしながら、彼女をどう引き込もうか画策していれば、智から連絡が入る。
[昼に出社する。向かえはいらない]
[かしこまりました]
とりあえず引っ越しの準備からやりますか。
出社してすぐに総務により、坂本という人手と段ボールをお願いする。
忙しかったせいで視野が狭くなっていたのか、一度分かればすぐに目に着くというのか。
忙しいは理由にはならない。
身に染みて実感します。
「ほんと?」
「ホントだよぅ。葉山さんだって一緒にいたんだから!」
「じゃぁ、結婚一年でスピーチ離婚⁉︎」
「チャンスじゃないですか!」
「慰めからの発展」
「ドラマみたーい」
扉の前で話の花を咲かせる根津達。
出るタイミングを逃したかなと様子を伺っていれば、扉を開けた根津が叫ぶ。
「何してるんですか!」「勝手に触らないで下さい」「最低」
あっ、中に坂本さんがいたのを忘れていました。
「私がお願いしたのですが」
声を掛ければ、根津たちの動きが止まる。