思っていたのと 違うのですか‼︎
「おはようございます。始業時間は、とっくに過ぎていますよ」
今来たばかりと爽やかに挨拶をすれば、皆散らばって行く。
残された根津は、何もなかったと「おはようございます。葉山さん。
昨日は大変でしたね」と会話をはじめる。
「坂本さん。これも片付けるので、もう少し箱をもらって来ていただけませんか?」
さりげなく席を外させる。
「お昼に専務が出社致します。それまでに、自分に荷物を片付けておいて下さい」
と微笑み自分の作業に戻る。
えっと驚いた顔をしたが、すぐに「わかりました!がんばります!」と腕まくりをするジェスチャーをする。
坂本が段ボールを持って扉を開ける。
「ありがとうございます」と段ボールを受け取り、棚の中の物を入れるようにお願いをした。
かかって来た電話に出て席を外す。
耳を澄ませば
「これもやって」とか「雑用なんでしょ」とか聞こえてくる。
頭が痛い。
「専務がお着きになりました」
鳴った内線を一目散に出た根津が嬉しそうに声を張った。
エレベーターまで迎えに行けば、根津も着い
てくる。
「おはようございます」
「あぁ」
暗い顔をして登場するかと思えば、ご機嫌ではないか。
何をした。
「吹っ切れたんですかねぇ」
私に同意を求めないで欲しい。
中で作業を続けていた坂本も大物の登場に不動となる。
智は「続けてくれ」とご機嫌だ。