思っていたのと 違うのですか‼︎
3-2
「このままここで話すか?それとも茶でも出してくれるのか?」
「喉が渇いたのなら、そこにサーバーがあるので好きなだけ飲んで下さい」
業務中なんですけどね。
この場にいる社員全員が聞き耳を立てている。
そのままでは皆も仕事に手が付かないでしょう
。
大きくため息を吐き
「兄さんと奥様の智美さんとは、どう言った関係?」と切り出した。
ニヤッと笑い「深い関係」と言ったが、すぐに智の睨みに気づき「冗談だよ」「怒んな」と智を宥める。
「俺とトモは純粋に仕事の関係だ」
奥様が仕事をしているなんて初耳だった。
だって、大学卒業してすぐに結婚している。
バイトか?
「私に聞きたい事とは?」
「今日、会う約束をしていた。それが今朝、会えないと言って来た」
「折り返し連絡を入れても返事がないんです。電源を落としているみたいで」
写真の男が翔の話を補う。
「君は?」
「鮫島 健斗(サメジマ ケント)と言います。トモさんの担当をしています」
「あいつのスマホは飾りだぞ」
「僕達が連絡を入れて返事がなかった事今までないんです」
智の圧にも負けず、鮫島が反論する。
「何をした」翔がドスを効かせた声で問う。
「妻として甘やかしただけですけど」
平然と言って退けるドヤ顔の智。
ヒューと口笛を誰かが鳴らせば、女性社員がきゃーと口に手を当てる。