思っていたのと 違うのですか‼︎
「なら、家にいるって事だな」
頭に手を当てながら翔が呟く。
「今、家にいるか確認出来るか?」
翔の問いに智が私を見る。
スマホを取り出し、コンシェルジュに問い合わせる。
「奥様はお出かけになられたそうです」
智を見た。チッと舌打ちをした。自分のスマホを取り出し電話を掛ける。
出ないようですね。
「ケンカして、セックスして仲直り?」
「そりゃ、ダメでしょ」
うちの社員も大概、言いたい放題ですね。
斉藤まで智の肩に手を乗せて首を振る。
しょげています。
ため息が止まりません。
それは翔も同じようで、頭をぐしゃぐしゃをかく。
「心当たりはある」
智が翔を見る。
「でも、電話したくない」
「心当たりがあるなら、連絡して下さいよ!今日中に書類にサインして貰わないといけないんですから!」
鮫島が翔を揺さぶる。
「やなものはヤダ」
キッパリと言いながらも私を見た。やな予感がする。
「だから、健。お前がかけろ」
「誰に?」
「親父」
「はぁ?」
何故ここで親父の名前が出て来る。
「トモは親父の紹介だ」