思っていたのと 違うのですか‼︎


「離婚で裁判になったら100%勝てないな」

翔の手を振り解き「離婚はしない」と力強く言う。

「お前はな。トモが望めば100%。お前に不義がなくてもだ。それだけの力と権力が持った人間がトモの味方だって事だ」

智が翔を睨んでる。


「奥様、何者?」
「科捜研とかヤバくない?」


騒めきの中、

「葉山さんのお父さんって何者なんですか?」

鮫島が私の方を見ながら首を傾げる。

智との会話でもそうでしたが、物置しないと子ですね。

「鮫島君でしたでしょうか」

私が言えば、あっと内ポケットを探り、一枚の名刺を取り出す。

「南波出版 文芸の鮫島 健斗です。トモさんに憧れて、会いたくて入社しました」

よろしくお願いします。

名刺を差し出される。

面接か何かですか?

「親父はただの裁判官上がりの弁護士だよ」

翔が助け舟を出す。

「こいつはただの熱狂的ファンだ。気にするな」と智にまでフォローを入れる。


「葉山さんのお父様、弁護士だって」
「お兄様は出版社?」
「文芸って事は奥様作家かなにか?」
「名前、聞いたことないけど」


外野、うるさいですよ。

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