思っていたのと 違うのですか‼︎
翔が小さくなって存在を消している根津達を見るとニヤッと笑う。
「クソ親父でも民事のプロだし。親父の友人で、息子が科捜研トップの進藤って言えば多分元警視庁長官の進藤さんだな。
そんでもって、出せば映像化必須のドル箱作家を出版社はじめマスメディアは放っておかない。詰んだな」
兄さん、楽しそうです。
これをどう収めようかと落ち込む智の顔を見ながら思案する。
「それぐらいにしてあげてよ」
斉藤が翔に話しかける。
あんなに落ち込んじゃってかわいそうんじゃないか。最後のチャンスだと思って助けてあげてよ。
「それにしても、山野のお嬢さんが作家さんなんてビックリだね。一度読んでみたいなぁ」
「読んでんじゃん。読み終わる度に電話して来て感想言って、次の発売聞いてくる人間が何を言う」
クッと翔が笑うと部長が目を大きく見開く。
心当たりがあるようですね。