猫と笑顔とミルクティー~あの雨の日に~
「お疲れさまでした~~」

時刻は17時。

今日はノー残業デーだから、なんとか定時きっかりに仕事を終らせ退社した。

会社を出ると、ひんやりとした空気が頬を撫でる。今日は一日中気分がスッキリしなかったから心地いい。

まあ、二日酔いになる位飲むなって話なんだけど……。

でも少し歩くとやっぱり寒くて、マフラーに顔を埋めた。

「はぁ……milk teaにでも行こうかな……」

もう、日課みたいになっちゃってる。

会社からは歩いて5分位。徒歩圏内だから、ついつい行っちゃうんだよね。

分岐点の交差点で立ち止まって少し考えたけど、結局三毛さんに会いたい気持ちが抑えられなくてmilk teaへ向かって歩き出す。

季節は12月。街はもうクリスマス一色。

ちょっと歩いて大通りに出ると、歩道の街路樹にブルーのライトや金色のライトがピカピカ光りながら巻き付いている。お店の前には大小さまざまな大きさのツリーが飾られていて、一番好きな季節に私のテンションは上がりっぱなしだ。

「早いよなぁ……」

三毛さんに出会ったのは、雨が冷たい梅雨。

「あれが半年前だもんね」

つい昨日の事の様に思い出される。
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