猫と笑顔とミルクティー~あの雨の日に~
「このお店の『milk tea』と言う名前の由来は、結子さんがミルクティーが好きだったからなんです」
(あ…やっぱりそうなんだ……)
初耳だったけど、色んな話を聞いていてそんな気はしてた。
「開店間近だって言うのに、お店の名前にもなっている看板商品のミルクティーがなかなか納得の行く味に出来なくて、何度も失敗していたんです」
「三毛さんでも失敗するんですね」
今の三毛さんからは想像が付かない。
「そりゃ、しますよ。たった今もしました」
鼻の頭を掻きながら、ハハハと笑う。
「最初の頃なんて、失敗続きでした。結子さんが店の看板商品をミルクティーにしたいって言い出してからは何度も何度も試行錯誤を重ねて。でも最初から上手くなんて淹れられないから、大量のミルクティーが作られる。流石に飲みきれないとそれを廃棄しようとしたら、先程の実森さんの様に結子さんに止められたんです。『捨てるなんて勿体無い!ミルクティーが泣くわよ!』って……」
「ああ……」
確かに、さっき私も同じこと事を言った。
「そんな事を言われたら廃棄出来なくなってしまって、それからしばらくは二人でミルクティーを嫌と言う程飲みました。それこそ、もう一生分ってくらい」
その時の事を思い出しているのか、三毛さんがクスクスと笑う。
「でも、なんとかオープンの前日に納得の行くミルクティーが出来て、今こうして皆さんや実森さんに提供出来ている訳です」
「そうだったんですか……」
ミルクティーは、三毛さんにも結子さんにも特別な物なんだな。
「あ、すみません。長々とこんな話……」
「あ、いえ……」
三毛さんがちょっとバツが悪そうに鼻の頭を掻いた。
「こんな話、誰にもした事無かったのにどうしたんだろう……?」
と言いながらブツブツ呟いている。
(あ…やっぱりそうなんだ……)
初耳だったけど、色んな話を聞いていてそんな気はしてた。
「開店間近だって言うのに、お店の名前にもなっている看板商品のミルクティーがなかなか納得の行く味に出来なくて、何度も失敗していたんです」
「三毛さんでも失敗するんですね」
今の三毛さんからは想像が付かない。
「そりゃ、しますよ。たった今もしました」
鼻の頭を掻きながら、ハハハと笑う。
「最初の頃なんて、失敗続きでした。結子さんが店の看板商品をミルクティーにしたいって言い出してからは何度も何度も試行錯誤を重ねて。でも最初から上手くなんて淹れられないから、大量のミルクティーが作られる。流石に飲みきれないとそれを廃棄しようとしたら、先程の実森さんの様に結子さんに止められたんです。『捨てるなんて勿体無い!ミルクティーが泣くわよ!』って……」
「ああ……」
確かに、さっき私も同じこと事を言った。
「そんな事を言われたら廃棄出来なくなってしまって、それからしばらくは二人でミルクティーを嫌と言う程飲みました。それこそ、もう一生分ってくらい」
その時の事を思い出しているのか、三毛さんがクスクスと笑う。
「でも、なんとかオープンの前日に納得の行くミルクティーが出来て、今こうして皆さんや実森さんに提供出来ている訳です」
「そうだったんですか……」
ミルクティーは、三毛さんにも結子さんにも特別な物なんだな。
「あ、すみません。長々とこんな話……」
「あ、いえ……」
三毛さんがちょっとバツが悪そうに鼻の頭を掻いた。
「こんな話、誰にもした事無かったのにどうしたんだろう……?」
と言いながらブツブツ呟いている。