猫と笑顔とミルクティー~あの雨の日に~
三毛さんが私の前まで到着し、膝に手を置いてゼイゼイ言っている息を整えている。

お店からここまで走って来たんだろうか?

(結構距離あるけどね)

少し待って、「あの……」と三毛さんに声を掛けた瞬間、もの凄い勢いで頭を上げてキッ!と睨まれた。

私は、え?めちゃめちゃ怒ってる?なんで?とビックリしてその後の言葉が出なかった。

すると三毛さんがまだ整っていない息なんてお構いなしに「心配したじゃないですか!!」と声を荒らげた。そのせいで、またゼイゼイと肩で息をする。

「え?だって、まだ時間……」

「そう言う事じゃなくて!僕が頼んだ買い物なんて10分もあれば十分帰って来れる量なのになんでこんなに時間掛かってるんですか!?」

三毛さんは勢いよく怒鳴って、私に弁解させる余地を与えず、そのまま喋り続けた。

「30分以上経ってもなかなか帰って来ないし、アールと待ってたら救急車が……スーパーに行っても実森さんの姿は見当たらないしレジの店員さんに聞いたらそれらしき人はもう10分くらい前にお店出たって言うしだから心配でっ……!」

息継ぎなしで叫んだ三毛さんが、その場をウロウロしながら前髪をグシャグシャ!と掻き乱した。

それを見て、「あ、そうか……」と悟った。

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