人生を最高に謳歌する僕の復讐方法
「お前ら……」

 父親がやっと絞り出すように言う。

「久しぶりね」

 そう、僕一人ではない。 今回は母親も連れて来た。
 それだけではない、弁護士も一緒なのだ。

「入っていいよね」

 僕達をドアの外に押し出そうとする父親の身体を押し返して、中へと入り込む。

 すると、そこには突然の訪問者に困惑する若い女の姿。
 こちらは一応、それなりにお洒落な部屋着を着ている。 だが、この女がどんな態度を取ろうと関係ない。
 問題なのはこの父親の方だから。

 そして、その後の結論を言おう。

 母親は離婚の同意を要求した。
 そもそも父親は浮気しまくりながら、独身を騙っていたのだから一切の拒否権はない。

 女は泣き出した。
 独身と信じていたからこそ同棲し、いつか幸せを夢見ていたのだから。
 だが、そんな事には興味ない。 知った事か。 気付かなかったアンタが悪い。
 他人の家庭を壊した事実に変わりないのだから。
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