人生を最高に謳歌する僕の復讐方法
 そもそも正当性のある復讐なんて存在しない。多くは間違ったやり方だ。
 僕のそれも汚い方法だった、父親の部屋にカメラを仕掛けて録画して。
 ただ、それを使って義父の力で何とかしようとしても無理な話だから手出しは無しで存在してくれるだけでじゅうぶん効果的だった。

 女は言ったらしい。
 自分は知らなかった、男に騙されたのだ、と。
 だが、会社側は女の言葉を一切信用しなかった。
 それは当然だ。 僕と母親は、女が言うであろう会社への言い訳とは真逆の話を訴えたからだ。
 会社側は義父の存在にすっかり騙され、僕達の話を信じた。
 だからどれだけ女が自分の正当性を訴えたとしても後の祭りだ。 そもそも本人達以外、誰もその関係を知らなかったのだ。 信じるわけがない。

 それほど、僕の復讐心は強かったという事だ。 そして未だに誰も、僕達の話を疑う者はいない。
 僕はもしかしたら俳優にでもなれるのでは、と内心では思ったりしないでもない。
 義父もある意味、悪徳弁護士になれるかもしれないが。
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