朝倉家の双子、恋をします!〜めぐり来る季節をあなたと〜
こいつは小さい時から全く遠慮がない。

確かに俺はシスコンだけど、こんなところで声を出して言うなよな。

……という思いを込めて睨んでみるが、全く通じない。

まあ、こんなやつだし、泉の親友ということもあって、こいつとは気兼ねなく喋れる。

「……それはさ、もう俺の役割じゃないだろう」

「……確かに。
ねぇ、一体どうなってるの? 
ずっと聞きたかったのよ」

「何が?
……あ、同じものでお願いします」

「決まってるじゃない。あの2人よ」

「泉から聞いてないのか?」

「聞いた。
『保留中』だって」

「……まあ、その通りなんじゃないか?」

「それ、意味わかんないって。
だってもう高校卒業してほぼ2年経ったんだよ? 
里佳子だって、留学しちゃったからもう居ないし。
今日も来てないじゃない」

「ああ……」

そう言って、俺達の視線は自然と宴会場の雛壇近くにいる、泉の方へ向いた。

そこには相変わらず野郎どもに囲まれた泉と、何とか阻止しようと泉の斜め後ろに立って、男達を睨んでいる京がいた。
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