朝倉家の双子、恋をします!〜めぐり来る季節をあなたと〜
「あ〜! いっぱい感動したから、お腹減った〜‼︎ 」

プッ

「映画観てカロリー消費したのか?」

「うん! ねぇ、焼肉行こう!」

「……わかった」

何も心配する必要なんかなかった。
撫子は常にマイペースで、いつのまにか次の方向を示してくれている。

こいつと居るのは、思ったより気が楽だ。
……そう気づくのに時間はかからなかった。

その後、撫子に連れて行かれたのは、食べ放題の焼肉屋。

正直、家族や京と行く時は、もう少し高級な焼肉屋なんだが…。

「今日は絶対に元が取れると思うの!」

と楽しそうに意気込むので、何も言わずに店に入ることにした。

「塩タン旨ーい!」

小さく薄っぺらい牛タンを、次々と平らげていく。

「そんなに好きなのか? 塩タン」

「うん。好き!
いつも泉とね、10人前くらい塩タンばっか食べるの。
このお店のタン、全部食べ尽くすんじゃないかって勢いで」
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