朝倉家の双子、恋をします!〜めぐり来る季節をあなたと〜
「それに、雅伯母さんに付くんだろう?
だったら、なんの問題もない。雅伯母さんは指導のプロだ。今までに何人ものスタッフを育て上げてきたんだ。
迷惑をかけるかも、なんて気にする必要はない。伯母さんが全部教えてくれるよ」

「……うん。そうだね。
最初から完璧に出来るわけないんだもんね」

「ああ。
……不安になってたのか?
だから真にメッセージ送ったのか?」

「え? あ、さっきの?
違う違う。逆だよ。
不安になってたのは事実。
だから真が心配して『何かあったのか?』ってメッセージをくれたのよ」

私達双子は、たまに感情を共有する時がある。いつもではない。

例えば、悲しい映画を観て涙が出たとても、そういう感情は伝わらない。
大抵はリアルに大きく動揺した時だ。特に負の感情の時が多い。

説明するのは難しいけれど、フッと不安になったり、気持ちが落ち着かなくなるような……そんな感じがする。

そんな時は必ず真の心が叫んでいるのだ。
半身を求めて。
真も同じことを感じるらしい。

俗に言う『双子の七不思議』とか『双子の神秘』と言うものなんだと思う。

気味が悪いと思われるのが嫌なので、この事を知っているのは身内だけだ。
友達には絶対に言わないようにしている。
もちろん京と親友の撫子は知っているけど。

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