朝倉家の双子、恋をします!〜めぐり来る季節をあなたと〜
「相変わらず仲良しね。真の家族は。
真、先週も帰ってたのに、皆んなお兄ちゃんが好きなのね〜」

本当に愛されてるよね。
そういう目で見ると、薄らと顔を赤らめ、ニヤニヤするな、と睨まれた。
こういう時の真は可愛い。

「泉、来週から常務秘書になるらしい」

「え! そうなの?
役員秘書か〜。大変そうだけど、泉なら大丈夫ね。京、喜んでるんじゃない?」

「あいつのことはいい……」

出た! シスコンめ……。
ムスッとしちゃって。

京とは親友なのに、2人の話をすると、どうしても面白くないらしい。

「前にさ、店舗や広報だと男の人に声をかけられて、京がヤキモチ妬くんだって困ってたからね。
常務って、京の伯母様でしょう?」

「ああ。俺の伯父…坂上校長の奥さん。
HASEGAWAの女帝って呼ばれてる」

「……なんだか凄い人につくのね」

「でも泉は伯母に可愛がられてるからな。」

「そっか。泉にとっても伯母様だもんね。
良かった! 泉、いずれ真を支えたいって言ってたからね。これも修行だよね」

「それは……どうかな」

「え? そう聞いてるよ?」

「そのつもりで入社したかもしれない。
でも、京が手放すか?
2人がこのまま結婚するなら、泉が朝倉コーヒーに入ることはないだろう」

「……」
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