朝倉家の双子、恋をします!〜めぐり来る季節をあなたと〜
「姫って言うモデル、知ってる?
年齢はナコちゃんと同じだったと思う。
大学を卒業して、1年目って言ってたから」

「 姫!? もちろん知ってるよ。
雑誌のモデルさんで超人気じゃない!
今日、ずっとたっちゃんの隣に居たショートカットのモデルさんでしょう?
今日の感じだったら、彼女はかなり乗り気よね?
綺麗な人だし、そんなに悪い話でもないと思うんだけど。
それでどうして私に『付き合って』って話になるの?」

達矢さんが私に恋心があるとは思えない。
私達の間にあるのは、兄妹に近い感情だ。

「……俺は……
好きな人がいるんだ。
ずっと、その人だけを見てきたのに、見合いなんて考えられないよ」

え?
好きな人がいるのに、私に付き合って…なの?

「たっちゃん……ちょっと意味がわからない」

「……ふぅ……ごめん。
ややこしいよな。
ずっと口説いてるけど、全然相手にされてないんだ、その彼女に」

「エェ!? まさかー。たっちゃんが?
有り得ないと思うんだけど……」
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