朝倉家の双子、恋をします！〜めぐり来る季節をあなたと〜

「えっと……」

「俺は社長の息子ではないので……」

「……真のお父さんは社長の弟さんなの。
朝倉コーヒーの副社長よ。
でも、社長には……」

既に嫁いだ一人娘しかいなくて、朝倉コーヒーを継ぐのが、甥の真だということは周知の事実なのよ。

……そう言いたかったのだが、すぐに遮られる。

「俺の事はいいんです。
とにかく……笹木さんご自身と撫子の評判を落とすような事はやめてください。
もしストーカー的な行為があれば、バンクロの顧問弁護士に相談された方がいい。むしろそれは急務だと言えるのでは？ 仕事に支障をきたしているのでしょう？
それに、勘違いされて撫子が嫉妬や妬みの対象になれば、危害を及ぼされる可能性がないとも限らない」

「そ、そうだね。
ごめん、ナコちゃん。危ない事に巻き込むところだった」

「ううん！ それはいいの。
……でも、今真が言ったことは、いずれたっちゃんのお相手になる人の身に起こるかもしれない。もしかしたら亜希さんに…。
やっぱり弁護士さんにお話しておくべきだと思うわ｣

「ああ。早速顧問弁護士に相談するよ。
朝倉さん、ありがとうございます。今日はここに来て良かった」

「いえ、俺は別に……」