朝倉家の双子、恋をします!〜めぐり来る季節をあなたと〜
「それ、誰から?」

「私小連事務局の事務局長の西前様からです」

「電話で?」

「は、はい。とても恐縮されていました」

「それだけ?」

「……私小連会長の推薦だと…」

「……でしょうねぇ」

「あの、もしかして、伯父様?」

「そうよ。この春から私小連の会長に就任したの。公私混同。とんでもない無茶振りだわ!」

常務、坂上雅伯母様の旦那様で、母の長兄。
そして私の母校の校長先生である、坂上聖伯父様だ。
私小連会長になってらしたのね。
知らなかった。

常務…雅伯母様はスマホを取り上げ、電話をかけ始めた。

「………聖? 
ちょっと、どういうこと?
私小連の事務局長さんから連絡があったんだけど」

ピッ

私にも聞こえるようにスピーカーにしてくれた。

「ああ、連絡あった?
申し訳ない。講演を頼んでいた作家さんが体調を崩されてね。急遽代わりに講演できる人を探していて、それでダメ元で雅を推薦してみたんだ
事務局長がえらく乗り気でさ。
空いてるだろう? 来週の金曜日」
< 228 / 517 >

この作品をシェア

pagetop