朝倉家の双子、恋をします！〜めぐり来る季節をあなたと〜

「良いも悪いも仕方がないよ。
こっちがお願いしているのだから。
メグ達も連れて、どこか食べに行くよ」

毎年、伯父様のお誕生日には、既に嫁いだ娘2人と伯母様とでディナーを作るのよね。
だから今年もその日は仕事を入れてなかったのよ。

まさか私小連総会が入るなんて……
でも会長就任後すぐの総会なら、伯父様も気を使うわよね。引き受けられて良かったわ。

「雅の講演会なんて、こんな事でもなければ聴く機会がないからな。楽しみにしてる」

「やめてよ。プレッシャーかけないで」

「私学に通わせている保護者は、裕福な自営業の方が多い。
俺達が日頃、生徒の親として接するのは、お前がいつもレクチャーしているような企業のトップと重なる。
そんな方々がこぞって講演を頼むんだ。
聞いてみたいじゃないか。
他の先生方も同意見だ。
俺も鼻が高いよ」

「もう、わかったってば……」

珍しく、雅伯母様が顔を赤らめている。
うちの両親もだけど、この夫婦も仲良しだなぁ……



渋々という感じで引き受けたけど、実際にはスピーチ原稿もすぐにまとまり、あっという間に総会の日となった。

もちろん私も同行…の予定だったのだが……