朝倉家の双子、恋をします!〜めぐり来る季節をあなたと〜
「そっか……。
でも、通夜の場であんな感じだと、ちょっと不安だよね。
達矢さんと姫が婚約間近のようなニュアンスだったし、ナコに対しても攻撃的だった。
何も知らない人が聞けば、まるでナコが姫から達矢さんを奪ったかのようだったわ」

「本当に申し訳ないと思ってる。
俺の考えが浅はかだったんだ」

桐野屋は大丈夫なのかな。
ひょっとして、嫌がらせをされたりとか……
考えすぎかしら。

「ナコ、桐野屋は大丈夫? 」

「え? ……あ、ああ。うん、まあ大丈夫よ」

……なんか、大丈夫じゃなさそう。
この場では言えないのかな。

「俺は……やっぱり姫にはちゃんと断りを入れた方がいいと思います。
納得しないんだったら、撫子ではなくその亜希さんを前面に出すべきです。
亜希さんを隠す事がいいこととは思わない。
隠して守ることが、尊重していることと同意ではないんです。
彼女が傷つきませんか?
自分は隠さなきゃいけない存在だと誤解しているかもしれない。
……すみません。生意気な事を言うようですが、経験談です。
少し違うけど、俺も反省したから……」

京……
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