朝倉家の双子、恋をします!〜めぐり来る季節をあなたと〜
「これはだめ。プレゼントだからね」

そう言って、京は女の子たちから作品を守った。

そうか。プレゼントなんだ。
じゃあ仕方がない。
この雰囲気では、とても自分から欲しいとは言えなかったけど。

お迎えが来た子供達が順々に帰っていって、美央おば様が迎えに来た時には、双子と京しか残っていなかった。
もちろんそれはいつものこと。

そこで京が、私達に折り紙で作った箱を差し出した。

「え? けい、これプレゼントなんでしょう?」

「うん! プレゼント!
しんといずみにあげる!」

なんと、プレゼントとは、私達双子に宛てたものだったのだ。

折り紙で作った箱の中には、色とりどりの小さなお菓子が入っている。

年少さんが作ったとは思えない精巧に出来た小麦粘土のお菓子。

私がもらったお菓子は、キャラメル色と小麦粘土そのままの色をいかして、交互に何重にも重ねて伸ばしたものを丸めて年輪にしたお菓子、バウムクーヘンだ。それに小さなフィナンシェとマドレーヌが付いている。

真の方のバウムクーヘンは、黄緑とキャラメル色を重ねていた。あれはHASEGAWAの大人気商品、MATCHAシリーズのバウムクーヘンだ。

今考えてみたら、どれもHASEGAWAの商品のミニチュアだったのが微笑ましい。
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