朝倉家の双子、恋をします!〜めぐり来る季節をあなたと〜
「えー? じゃあ俺は?
なんで呼ばれたんだ?」

京がちょっと不満げだ。
私達4人兄弟と京は、一緒に育ったようなもの。だから、1人外されるとすぐに拗ねるのよね。

「京くんには、2つやってもらうことがあるのよ。環、説明しておいて。
さ、真、いくわよ」

と、母は早速ピアノ室に真を連れて行ってしまった。
なんだか真の猫背がひどくなったように見えた。
……真、ファイト!


「えーっと3曲目なんだけどね、ハレルヤの後、もう一曲、全員で聖歌を歌おうと思うんだけど、まだ決めてなくて。
京くん、何がいいと思う? 」

なんと、選曲を京に任せるの?

「俺が選ぶの!?」

あれ、喜んでる。

「じゃあ俺、アレがいい!
……あれ? 曲名忘れた。
『私の心の〜喜びを〜』ってやつ」

「ああ、『あふれる喜び』ね。
いいわね! ぴったりじゃない? 」

うん。本当にぴったりな選曲だ。
京も、ぴったりと言われて満足そう。

「じゃあそれはお兄ちゃんの撮影が終わったら練習しよう。
で、京くんにもうひとつのお願いです」

「…なに?」
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