朝倉家の双子、恋をします!〜めぐり来る季節をあなたと〜
「大丈夫なの? 姫……」

「あー、うん……まぁ……」

「かなり達矢さんに入れ込んでたみたいだし、お焼香の時も、ナコのことすごい目で睨みつけてたの。その時から気になってて。
あれからなにもされてないの? 」

「……本当はね、ポラリス全ホテルからの発注はほぼなくなってる。
……多分姫が手を回したんだと思うの。
うちはね、ホテルや式場から依頼があればお引き受けするってスタンスなのよ。
だからホテルに常駐ではないの。
もちろん、個人での指名もあるし、むしろそちらの方が多いんだけどね。
だからポラリスだけが提携先ではないから、そう痛手ではないのよ。
ただ、ある事ない事呟かれるとね、SNSの効果って怖いの。
個人のお客様も逃げて行かれたら、ちょっと困るかな……」

「SNSって何を書かれるの? 」

「一点物だかなんだか知らないけど、使い回し感半端ない! 」

「え」

「白っぽい変な液体が付いてた」

「な……」

「若いスタッフが新郎に色目を使った」

「それって……」

「接客の若い女に、似合わないと笑われた」

「個人的な恨み……」
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