朝倉家の双子、恋をします!〜めぐり来る季節をあなたと〜
でもきっとそれだけじゃないはず。
撫子の夢は和雑貨屋併設の和カフェを経営すること。そのためにたくさん勉強しているのは知っている。

「これって8月に幕張である、ブライダルフェスティバル用の商品よね?」

「そうよ。よく知ってるね? 」

「もちろん、うちも出るからよ」

ああ、そっか。
桐野屋が出店しないわけがないか。

「あのね、このフェスティバルがあるから花ちゃんの結婚式に出られないの。
せっかく招待していただいたのに、申し訳なかったわ」

「そっか、重なってたんだ……え? じゃあ京も……」

「それは大丈夫でしょう。
もちろん京も幕張には来ると思う。
この企画の立案者なんだし。
でも、HASEGAWAみたいに大きな会社なら、社員さんは沢山いるでしょう?
結婚式の日は3日間のうちの中日なの。
京はその日だけ抜け出したらいいんじゃない?
うちみたいな家族経営の小さな会社には代わりがいないの。
とてもじゃないけど、私は抜け出せないのよ。すっごく残念なんだけど」

「ええ〜!
本当に残念。
サプライズでね、歌を歌うの」
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