朝倉家の双子、恋をします!〜めぐり来る季節をあなたと〜
「いいよねぇ〜〜! 
私もハレルヤ一緒に歌いたかった!
聖歌隊以来だもん」

「……うん。本当だね」

ハレルヤを歌うことを私が知ったのは先週の水曜日。
あれから1週間が経つけど、その間ナコとは連絡を取っていなかった。
だから私が伝えた訳ではない。

もちろん、参列しないとわかっている撫子に、環がわざわざ連絡を入れるとは思えない。

そもそも、先週実家に集まった時、撫子が結婚式に出られないと言ったのは真だ。

ではやはり、真から歌のサプライズの話を聞いたと言うのが正解だろう。

いつになったら教えてくれてくれるんだろう……。




撫子が一人暮らしを始めた時、ちょうど私も就職したてで、引越し祝いを持っていくことも、遊びに行くことも出来ない余裕のない状況だった。

やっと行けたのが、お中元シーズンに入る前の5月末頃。

初めて一人暮らしの友達の家に泊まりに行くことに、私は浮かれていた。
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