朝倉家の双子、恋をします!〜めぐり来る季節をあなたと〜
「で、桐箱のブロックを作ると」

「はい。桐箱を1000用意し、並べる予定です」

「……たしかに圧巻だな」

「社長、私もこれはいけると思います。
彼の案で進めさせていただいてよろしいでしょうか」

「ああ、よろしく頼むよ。
しっかり指導してやってほしい」

「承知しました」



◇◇



「部長、秘書室に寄りたいんですが……」

「うん、いいよ!
噂の美人すぎる常務秘書だよね〜。
楽しみだなぁ」

「……」

「あ、京くんの彼女さんなんでしょう?
紹介してね」

ウキウキワクワクという擬態が聞こえてくるようだ。

「……はい」

この部長は切り替えが残念すぎる。
社長の前ではデキる男なのに、今は残念オヤジ丸出しなんだけど……。
まあ仕事は出来るからいいか。

秘書課に行くと、泉がデスクで仕事をしていた。
その隣に立ち塞がるように、営業の男性社員が立っている。

あれは営業のチャラ男、伊東だ。
伊東がなぜ秘書課にいる?

入口に背を向けている伊東に、俺達は全く見えていない。
そして伊東の影になっているため、泉からも俺達が見えない。

「申し訳ありませんが、私、彼氏いるんです。行けませんよ」
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