朝倉家の双子、恋をします!〜めぐり来る季節をあなたと〜
「ねぇ、泉ちゃんがダメなら友達でもいいんだ。
ほら、昨日焼肉屋から出てくるの見たんだよ。
美人の友達はやっぱ美人なんだわー。
俺、感動した」

ん? 撫子のことか?

「……彼女も、彼氏持ちですよ」

「えぇ〜。……まあいいけどさ。
俺は彼氏がいてもいなくても気にしないから。ねぇ〜飲みに行くくらいいいじゃん。
楽しく行こうよ~」

しつこいわ!

「あいつ……」

秘書課の入口から俺が睨みつけて、一言言ってやろうと前に進みでると、部長が肩を掴んだ。

「京くん、まあそうしょげないで」

「はあ? しょげてません!
睨みつけてるんです!」

「ブッ……まぁまぁ……」

と言って前に進み出た。
睨みつけているのがなんで“しょげてる”になるんだよ!?

「伊東くん、君どうしてここにいるのかな?」

「え! ……ぶ、部長っ!?
と、王子!? 」

「今日の報告書は書き終わったのか? 」

「や、す、すぐやります!」

「まだなのにこんなところで油を売ってたのか」

「あ、いや、その……
常務宛の書類をお持ちして……」

「それは君がすることか?」

営業の伊東が常務に書類?
有り得ないだろう。
全く繋がりがないじゃないか。
どうせ広報あたりの書類をぶんどって、必要のないメッセンジャーをしているのだろう。
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