朝倉家の双子、恋をします!〜めぐり来る季節をあなたと〜
あームカつくっ!!

何がムカつくって、俺が行くべきなのに部長に庇われていることだ。

たしかに俺は公的に咎められるような立場じゃないけど。まだヒラだからな。

けど、俺の彼女なのに!
クソっ……

「す、すぐに戻りマース!
あ、じゃあ朝倉さんさっきの話、よかったら考えといてください!
失礼しますっ!」

そう言ってそそくさと階段を降りていった。

「すまなかったね。
うちの者が邪魔をして」

部長が部下の怠慢と非常識な行動を詫びた。

「あ、いえ、とんでもない!
でも、ちょっとしつこかったので助かりました。あの…」

そこで部長が俺の腕を肘でつつく。
これって紹介しろってことだよな。

「部長、朝倉泉です。
泉、こちら営業の鹿島部長だ」

「朝倉泉です。常務秘書をしております。
鹿島部長、よろしくお願いしいたします」

「鹿島です。泉さんの噂はよく聞いてますよ。美しすぎる常務秘書、ってね?」

「え」

泉が顔を真っ赤にしている。
か、可愛い……
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