朝倉家の双子、恋をします!〜めぐり来る季節をあなたと〜
達矢さんとparkside Aに来て以来、撫子は名古屋に来る度にここに寄るようになった。

閉店まであと1時間。
店内は食後のコーヒーを求めてやってきた客で賑わっている。

撫子はセンターの大テーブルに席を取ったようだ。
不恰好なスーツを着ていても姿勢の良さは変わらず、見た目とのアンバランスさが見ていておかしい。

今は聞くことが出来ないが、後で問い詰めてやる。
俺の想像どおりの理由なら、これ以上は放っておけない。

出来上がったリゾットからは、ほんのりガーリックの香りとパルメザンチーズ、そして削りたてのブラックペッパーの香りがしている。

「お待たせ致しました」

「わぁー美味しそう。いい香りがしてる。
あ、ピカピカ可愛いっ!!」

「ご希望通りでしたでしょうか」

「うん! すっごく可愛い。
ラテアート、本当に上手だよねぇ」

「……ありがとうございます。
どうぞごゆっくり」

ラテアートなんて、毎日何杯もいれている。
でも、こんな風に喜ばれると、くすぐったい気持ちになる。

ちなみに新作は黄色い電気ネズミ、ピカピカだ。
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