朝倉家の双子、恋をします!〜めぐり来る季節をあなたと〜
撫子がスマホを取りだし、ラテアートとチーズリゾットのどちらの写真も撮り出した。
人によっては、こういったスマホで写真を撮る行為を嫌がるシェフもいるらしい。
熱いうちに早く食べて欲しいからなのだろうか。
俺にはその気持ちがわからない。
それなりに神経を使い、気合を入れて淹れたカフェラテだ。
しかも我ながら上手く描けた。これは立派に作品だと言えるだろう。
その作品を写真に撮るという事は、作り手への敬意なんじゃないだろうか。
撮り終わって満足したのか、伊達眼鏡を外し
「いただきます」としっかり手を合わせ、リゾットを食べ始めた。
ひと口食べてにっこりする。
どうやら口にあったようだ。
撫子は、食べている間、スマホを見るようなことはしない。
これもやっぱり作り手への敬意だと思う。
しばらく食べ進み、思い出したかのようにカフェラテを口にする。
またにっこり笑う。
俺の淹れたカフェラテで、幸せな顔になった客を見るのは、素直に嬉しい。
ただ、それだけでいいのか、とも考えてしまうんだ……
撫子を最後に、新規の客足も減ったようだし、そろそろ閉店準備に取り掛かろう。
◇◇
人によっては、こういったスマホで写真を撮る行為を嫌がるシェフもいるらしい。
熱いうちに早く食べて欲しいからなのだろうか。
俺にはその気持ちがわからない。
それなりに神経を使い、気合を入れて淹れたカフェラテだ。
しかも我ながら上手く描けた。これは立派に作品だと言えるだろう。
その作品を写真に撮るという事は、作り手への敬意なんじゃないだろうか。
撮り終わって満足したのか、伊達眼鏡を外し
「いただきます」としっかり手を合わせ、リゾットを食べ始めた。
ひと口食べてにっこりする。
どうやら口にあったようだ。
撫子は、食べている間、スマホを見るようなことはしない。
これもやっぱり作り手への敬意だと思う。
しばらく食べ進み、思い出したかのようにカフェラテを口にする。
またにっこり笑う。
俺の淹れたカフェラテで、幸せな顔になった客を見るのは、素直に嬉しい。
ただ、それだけでいいのか、とも考えてしまうんだ……
撫子を最後に、新規の客足も減ったようだし、そろそろ閉店準備に取り掛かろう。
◇◇