朝倉家の双子、恋をします!〜めぐり来る季節をあなたと〜
花のA terraceの成功を聞くと、劣等感を感じざるを得なかった。

俺ってこんなに何も出来ない人間だったのか……。

入社して、ひたすら日々の店舗業務に追わて、何も成し遂げられていないんだ。

鬱屈した思いを抱えていた時だった。

A terraceの成功を受けて、名古屋にも2店舗目の大型カフェをオープンすることになった。

そして俺はオープニングスタッフとして入ることになり、名古屋に転勤になったのだ。

最初に驚いたのは、新たなカフェparkside Aの店長が、あの時の佐々木さんだった事だった。

佐々木さんは30代後半で、奥さんと娘さんが2人いる、優しいお父さんだった。

この人との出会いが、鬱屈した日々を過ごしていた俺の生活を一変させた。

経験のなかったラテアートを根気よく教えてくれたり、フードの見せ方を一緒に考えたり、人見知りな俺の殻を破り、面倒をみてくれたんだ。
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