朝倉家の双子、恋をします!〜めぐり来る季節をあなたと〜
「……ねぇ、良かったの? 」

「何が? 」

「先に帰って待ってても良かったんだけど…」

「……? うちに来るんだよな?
なら、なぜ待たない? 」

「だって……スタッフさんに変に思われなかった? 」

バイトの目を気にしてるのか?

「たしかに奇妙な目で見てたけどな」

「奇妙? 」

「お前、自分の今の格好、忘れたのか? 」

「あ」

「なんでオバサン待たせてるんだ?
って思っただろうな、あいつら」

「うああああああぁぁぁ……」

頭を抱えている。
今さら何を言ってるんだ、こいつは……。

「で、なんなんだ? その格好は」

「う〜。
……もちろん変装だよ。
書き込みがあったの。
『新郎に色目を使うスタッフがいる。』って。だから新郎世代よりうんと年上で、目立たない格好で接客することにしたのよ」
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