朝倉家の双子、恋をします!〜めぐり来る季節をあなたと〜
「だが、いつまでもそんな格好を続けられないだろう」

「……悪いことばかりじゃないの。
実際に、年齢が上に見られて良かったことの方が圧倒的に多いの。
ご両親の信頼は得られるし、花嫁様も安心されるし、新郎様も気が逸れないみたいで。
だから……」

「ちょっと待て。
最後のはなんだ? 新郎の気が逸れる?
どういうことだ!?」

「……たまにいるのよ。
相当な女好きなんだと思うけど、女と見れば誘いをかけずにはいられないタイプが。
もちろん相手にもしてないけどね」

「な…」

何だそれ? 今初めて聞いたぞ。
仕事中にそんな要素、有り得ないと思ってた。普通はそう思うだろう?
幸せいっぱいの結婚間際のカップルが接客の相手なんだから。

「ムカつく……」

「え?」

「……何でもない」

「……?
……ねぇ、たっちゃんって、ここに来てる? 」

「週一くらいかな」

「そんなに来てるんだ!」

「元からそのペースで来てたらしい。
俺が気付いてなかっただけで。
佐々木店長とはかなり親しくなっているみたいだ。
……お前は会わないのか? 」

「うん。書き込みがあってから、極力会わないようにしてる。
だからあの後、亜希さんとどうなったのか、全くわからないの。
少しは進展してくれていればいいんだけどな。」

結局のところ、達矢さんが本命と結婚して落ち着かない限り、撫子は解放されないんだ。
気になって当然だな。
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