朝倉家の双子、恋をします!〜めぐり来る季節をあなたと〜
「Asakura さん?
あ、ごめんなさい。ネームプレートを見て…。
ナコちゃんのお友達ですか? 」

「……幼馴染です」

「……ああ! あなたが… 」

「え」

なんだ? この人俺の事知ってる?

「フフフ、お話は伺ってます。
ナコちゃんにはいつも仲良くしていただいてるの。
桐野屋のお嬢様なのに、偉ぶったところもなく、仕事熱心で、本当に素敵な女性よね! 」

……よくわかってるじゃないか。

なるほど。そう言えば撫子もいい人だって言ってたな。本当に仲良くしてもらっているのだろう。

「……あの、私がこんなこと聞くのも変な話なんだけど、最近のナコちゃん、一体どうしちゃったのかしら。
ツーサイズ上のスーツを着て、メガネなんかかかけちゃって。
朝倉さん、何かご存知じゃないですか? 」

この人は知ってるのか?

「なんだ? ナコちゃんメガネなのか? 」

全く会わないように避けている、というのは本当の話のようだ。達矢さんは今の撫子を知らないのか…。
本当に困ったものだ。
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