朝倉家の双子、恋をします!〜めぐり来る季節をあなたと〜
心配かけちゃってたのね。

私自身はフィギュアだって嬉しいし、主張なんてしなくても、私は京のもので、京は私のものだとちゃんと理解していたんだけど……。

でも、美央おば様と斎おじさの大切な思い出の指輪を私達にくださるなんて!

「京、私、この指輪つけてみたい……」

お二人の気持ちが嬉しい。
大切にされていると分かって嬉しい。

「わ、わかった……」

きっと磨きをかけてくれたのだろう。
ずっと身につけていたものとは思えないくらい、傷もなく綺麗で、ゴールドのファッションリングはピカピカと輝いていた。

「……あ、ピッタリ」

「泉ちゃん、こっちにもあるんだ」

そう言って、おじ様が全く同じデザインの指輪を出してくれた。

「京にもつけてやって?」

なんだかドキドキする。
誓いの言葉も何もないけど、いつかのための予行演習みたい……。
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